総評
レイアウトコンテスト2007へ多数のご応募をいただきまことにありがとうございました。厳正な審査の結果45-50s氏の作品「海峡を往く」を本年の大賞作品として選びました。
古くより鉄道模型のレイアウトには、「架空の鉄道」ともいうべきジャンルが存在します。作者自身が設定した架空の鉄道会社、路線をテーマにした作品です。今回のレイアウトコンテスト2007 大賞受賞作品は、この王道ともいえる架空の鉄道を軸に見て楽しめ、走らせて楽しむことができるレイアウトに仕上がっています。海峡をいく鉄道とその周辺の様々な風景が織り込まれたレイアウト作品です。
VRM4レイアウト部門は、傑作揃いで選出に難航しましたが、junichi氏の「ローカルプラン」が選ばれました。丁寧に情景が作り込まれたレイアウトプランが評価されました。
VRM3レイアウト部門は、沖ノ鳥島氏の作品「『東海道』」が選ばれました。長い直線区間が多く見られる東海道線の雰囲気を出すためにあえて特殊なレイアウトサイズを採用した作品です。
スクリーンショット部門は、むらP氏の作品「水面に映るVSE」が選ばれました。水面に反射するVSEを地形テクスチャーで表現した作品です。不可能を可能にするという点が評価されましたが、それ以外に細かい部分での作り込みも必見です。 水面反射はテクスチャーで擬似的に表現しているため、運転すると破綻するという点でスクリーンショットならではの作品です。
特殊なコンセプトのレイアウト作品ということで選者も楽しませてもらったCaldia氏の「回転オルゴール」には、審査員特別賞を授与します。
今回の応募作品は、全般に水準の高い作品が多く見られました。
VRM4レイアウト部門では、junichi氏「ローカルプラン」や十衛門氏「山麓温泉」など鉄道模型のプランとしてボード上に構築できそうな作品や、Caldia氏「回転オルゴール」、45-50s氏「WAMU-HACHI ADVENTURE」のようなスクリプト制御を生かしたユニークな作品、漆黒氏「貨物列車で行こう!」の高低差のあるダイナミックなプランなど、多様なコンセプトの作品がありました。技巧的に安定したレベルの作品が多いのも今回の特徴です。
VRM3レイアウト部門では、かずぼっくり氏の作品「都市開発」が、入賞には至りませんでしたが丁寧な作品作りで高い評価を得ていました。
スクリーンショット部門では、入賞されたむらP氏のもう1つの作品「夕暮れ時の工場と蒸留塔」が、その圧倒的な作り込みに高い評価を得ていましたが、構図の点で入賞を逃しました。
鉄道写真としては、buchi-taro氏「北へ向かって」が完璧に近い構図です。写真は、流れる時を一瞬に閉じこめます。写し取られた一こまにはどのような物語があったのか、そういった写真作品としての雰囲気を氏の作品からは見ることができます。
USO800鉄道氏の「美濃赤坂駅」は、実在駅の雰囲気がよく再現された作品です。構図などに注意して作品を生かす視点で撮影されればさらなる高評価につながりました。
※2009/11/30 作者様のご協力によりVRM5/VRM ONLINE向けのレイアウトファイルを公開しました。下記リンクよりダウンロードしてください。(※VRM5未発売の部品は発売までお待ちください。)