一般・ミニレイアウト部門総評
第2回となる今回は、前回と比較して作品の内容が格段にレベルアップしています。特にシーンの表現に作者の込めたテーマを感じられる作品が多数見受けられました。
今回、両部門を制覇したYoKaTomi 様の作品は、密度の高いレイアウトからシーン全体にわたって活気を感じさせます。非常に高い完成度で、両部門大賞受賞となりました。
「YoKaToMiホームタウン」は、作者所有のレイアウトをモデルにした作品で、鉄道が自然に街の風景にとけ込んでいる点など非常に高いセンスを感じさせます。
「スイッチバック駅のある街」は、レイアウトサイズの制約を感じさせないレイアウトプラン、シーンの表現力が高い評価に結びつきました。
ghost 様の「ShinOsaka 2022」は、モーションパス付きのフライスルーカメラをダミーの線路と列車の組み合わせで実現しています。大都会のターミナルをカメラがすり抜けていくシーンは圧巻です。
しおじ 様の「日中横断鉄道」は、架空の海底トンネルを抜けると、そこは大陸というレイアウトです。テクスチャーをうまく使って、桂林の山水風景、万里の長城などの中国の景色を見事に再現しています。
165系急行東海 様の「ショートトラック非電化S」は、山間部を縫う様に走る非電化ローカル線のイメージがよく現れています。
ghost 様の「Oh-Boke」は、大歩危渓谷をモデルにした作品で、渓谷という特異な地形を生かしたレイアウトです。
※審査は、全作品から審査員推薦によって候補作品を選出。各ノミネート作品を採点後、合計点が高い作品が入賞。最高点をとった作品が大賞となっています。
一般部門ノミネート作品
- 橋本 真 様「都市環状線」
- しおじ 様「日中横断鉄道」
- YoKaTomi 様「YoKaToMiホームタウン」
- ghost 様「ShinOsaka 2022」
- 165系急行東海 様「臨海鉄道2」
- ルカス 様「車両基地のある近郊」
ミニレイアウト部門ノミネート作品
- 165系急行東海 様「ショートトラック電化S」
- ghost 様「Oh-Boke」
- 165系急行東海 様「ショートトラック非電化S」
- YoKaTomi 様 「スイッチバック駅のある街」
- キム 様「峡谷」
- 白雷 様「蒼海を望む路線」
一般部門
ミニレイアウト部門
一般部門・ミニレイアウト部門 応募作品
一般部門
ミニレイアウト部門
パワードバイトミックス部門総評
短い募集期間ながら多数の作品のご応募をいただきありがとうございました。ご応募いただきました作品を審査した結果、残念ながら今回は入賞作品なしとさせていただきます。
今回、ご応募いただいた作品は、実際に「鉄道模型」のレイアウトとして構成した場合、いくつかの点で構造に問題が生じる部分がありました。パワードバイトミックス部門は、鉄道模型メーカーの視点で審査したため、いくつかの作品では評価上のマイナス要因となりました。
応募条件に設定されている金額制限は、レイアウト設計に際して、実際の模型でのプラン構築と同様に、限られた予算で最大限の効果を発揮できかどうかをみるためのものでした。残念ながら、高架区間、ポイントなど予算のかかる部品の多用により、プラン全体が単純化してしまった作品が散見されました。
実際のレイアウトプランの構築は、限られたスペース、限られた予算と様々な制約がのしかかってきます。空間と予算を有効利用した上で変化に富んだ走行シーンをつくるというような考え方が必要になります。
ファイントラックは、組み合わせの自由度が高い線路システムです。工夫次第で非常に複雑なプランを構成することができます。VRMの仮想線路システムとは違った、模型線路システムの特性を生かした作品で、次の機会にぜひチャレンジしてください。