人類が銀河系へ進出を果たす以前の時代である。地球上には、単一の惑星ながら多数の国家が存在していた。この時代には、その後の銀河時代をの基礎となる高位次元物理学や、AIなどのコンピューター科学などが発展した。
大航海時代に人類社会を支配した地球連邦は、この時代に成立している。地域紛争の鎮圧を目的としたその組織は、大航海時代後期の混迷を引き起こす原因を潜在的に持っていた。

1984 トップクォークの発見
1991 安定した反物質(反水素原子)の生成に成功
1995 M理論の可能性が提示される。超ひも理論が新しい段階へ
2002 地域紛争時代が始まる
2017 地球規模の経済ネットワーク攻撃が発生。経済崩壊はかろうじて回避。この事件を契機にサイバー攻撃に強い新型ネットワークの開発が始まる
2019 M理論の基礎理論がほぼ成立する。多次元時空間、並行宇宙について理解が深まる
2020 知識構造体の基本的な規格が作成される。ネットワークインテリジェンス(NI)の基盤整備が開始される
2021 マクロ量子跳躍理論発表。超ひも理論の第3次革命が始まる
2022 6カ国会議による国際月開発に関する北極条約締結。本格的な月開発が始まる
2025 光速度にマクロ量子跳躍理論が予測したモードが確認される。空間に対するヒモの巻き付き方から軽い光速度と重い光速度が予測され、これが確認された。光速度を絶対とする相対性理論が、特殊な条件に限定されることが立証され、現代物理学から退場した
2027 多層有機ニューロチップの開発
2028 ルナシティ着工
2029 超統一場理論発表(高位次元波動変換理論成立)
2032 ルナシティ居住区、実験区、工業区が稼働開始
2034 重水素エンジンを搭載した惑星間宇宙船が就航。ルナシティをベースに惑星探査が始まる
2035 ロシアの実験研究都市クラスノヤルスク−45にある実験量子炉で縮退事故が発生。実験炉は消滅。精密な観測結果によりマイクロブラックホールの生成が確認される
2036 全ロシア実験物理学研究所(VNIIEF)が実験量子炉の安定化に成功
2042 日本航空宇宙技術院ハイパードライブ実験成功。恒星間エンジンの可能性が現実的になった
2045 ハイパーカミオカンデ「メタタキオン」の存在を確認(*)メタタキオン=虚数質量をもつ超光速素粒子
2048 マイクロブラックホールを利用したハイパードライブ理論が完成
2052 ネットワークで活動する自律した人工知性体が開発される
2065 キューベリック財団火星開発に着手
2068 激化する地域紛争を解決するため主要先進国の主導により地球連邦が成立。連邦統合軍による強力な軍事力を背景にした政治圧力で紛争を押さえ込む
2071 火星都市スキャパレリドームの建設開始
2075 木星軌道上で歴史的なハイパードライブ実用化実験に成功 恒星間航行の実用的な手段がついに完成する。
2076 銀河への進出をうたった銀河憲章が連邦によって制定される。恒星間での標準時間として銀河標準暦が設定された。

 

科学

物理学
2000年代初頭、それまで量子力学の世界を簡潔に記述できるのではと考えられていた超ひも理論は、いくつもの理論に分裂していた。超ひも理論の登場以前は、量子を「大きさのない点」として扱っていたため、ゼロ(そしてゼロに深く関連する無限)が量子力学の発展に大きな壁となっていた。超ひも理論は、大きさのない点ではなく、非常に小さなひもとして考えることで、ゼロ問題を回避し、さらに量子の様々な性質を理論的に記述する可能性を提示した。しかし、初期の超ひも理論の研究は、理論の分裂という危機に直面した。ヘテロE8*E8、ヘテロO32、Type I、Type IIA、Type IIBの5つの内容が全く異なり、それぞれに正しそうに見える理論が研究されていた。2000年代初頭より始まる静かだが大規模な物理的な革命への予兆は、この分裂していた5理論をふたたび1つにまとめる作業から始まった。
2000年代初頭より本格的な探求が開始されたM理論は、世界中の物理学者によって活発に研究され、2019年ごろには土台となる基礎理論の構築がほぼ完了した。M理論によって、5つの理論は11次元の枠組みに収まり、物理学は新しい世界を理解するための武器を手に入れた。
2021年に提唱されたマクロ量子跳躍理論は、当時若干21才の大学生だったウィンディ=スタインハート(2000-2068)によって構築された非常に独創的なアイデアが発端となった。M理論は、巨大な理論のためすべてを解き明かすには、依然として相当な時間が必要であったが、その基礎理論からウィンディ=スタインハートは「自分たちの宇宙で、人間が理解できる範囲は、高位次元の写像」であり、ミクロとマクロの量子的なつながり(超ひも理論的なつながり)を理論的に説明することに成功した。
ひものレベルでは、非常に活発にひもは活動しており、宇宙からエネルギーを借りてくることで、ひもとそのひもの対(=仮想ひも)を生み出す。仮想ひもは、借りたエネルギーを返すためにただちに消滅する。このときに借りてくるエネルギーの供給元が、高位次元(M理論の時空間の11次元を包み込む、時空間の上位に存在する次元)であると理論は説明していた。
2025年には、マクロ量子跳躍理論から導き出される現象として光速度のモードが精密な実験によって確認された。高位次元の影響により、光速度には少なくとも2種類の速度が存在することが確認され、このことによって、光速度一定という前提によって構築されてきた相対性理論が、限定された条件でのみ成り立つローカル理論となった。
2029年には、物理学の再構築が行われ、高位次元波動変換理論が提唱された。マクロ量子跳躍理論の基本的な考え方をさらに推し進め、低次元(超ひも理論の次元)と高位次元との相互変換の理論的な記述に成功した。この理論は、それまでファンタジーでしかなかった恒星間を超空間を経由して移動する=ワープ航法を可能にするものがった。この魅力的な理論からの帰結に世界中が注目し、ハイパードライブの実用化競争が開始された。
いくつかの悲惨な事故にも屈することなく、科学者たちは前進し、メタタキオンなど画期的な副産物を多く生み出しながら、2048年にマイクロブラックホールを利用したハイパードライブ理論が完成が完成した。
2075年、木星軌道上にてハイパードライブ宇宙船「エンタープライズ号」の実験航海に成功した。

コンピューター
シリコンチップの集積度が限界に達し、新しい種類のコンピューターがいくつも開発された。量子コンピューターは、2016年ごろまでには特定用途ながら実用機器が開発された。
2017年の世界規模のサイバー攻撃は、既存ネットワークの弱点を露呈した。このため、経済ネットワークの幹線は、新設計の回線に置き換えられた。この回線は量子コンピューターを応用した量子通信暗号化装置が組み込まれ、ネットワークを流れるパケットの安全性は飛躍的に高まった。
このころ、AIについての研究にいくつかのブレークスルーがあり、AIが知識をスムーズに送受信できる知識構造体用ネットワークの構築が開始された。
2027年に登場した多層有機ニューロチップは、単体で動作するAIを実用的な速度で人間の様な柔軟な思考判断をくだすことを可能にした。
2052年、知識構造体用ネットワークをベースに、ネットワーク上に生きる人工知性体が開発された。

政治

2000年代初頭から国家対国家という戦争の概念は、その比重を低下させ、小集団による破壊活動や地域紛争が目立つ様になる。食糧問題、環境問題など人類の増加に起因する諸問題が深刻な政治的状況を作り出す様になってきた。
2017年の世界規模で発生した経済攻撃は、小集団による効果的な破壊活動を具体化したものとして記録に残る。この時代には、通貨取引は現物の紙幣では行われておらず、公開鍵を使用した電子貨幣によって行われていた。電子的な記録の書き換えを公開鍵によって内容保証し、迅速な取引を可能としていたが、それを行うためのネットワークシステムは、非常に原始的で公開鍵暗号の強度も十分ではなかった。アメリカ東部時間で2017年7月4日午前11時、2年近くにわたってネットワークに慎重に張り巡らされた罠が作動を開始、為替レートの極端な変動を皮切りに、差し替えられた偽のプットオプション、コールオプションにより国際取引を徹底的に破壊した。この事件は、犯人の特定には至らなかった上、ネットワークの再構築により1ヶ月間の取引停止を余儀なくされた。
この事件は、先進主要国のみならず各国政府関係者に衝撃あたえ、全世界規模でこうした攻撃に対処するための専門部隊創設の機運が高まった。いくつかの組織を経て、2068年、世界政府地球連邦が創設され、あらゆる攻撃に迅速に対応するための連邦統合軍が編成された。

経済

多層有機ニューロチップの開発によって、それまでのノイマンタイプのコンピューターとは全く異なる柔軟な思考をもったAIと呼べるシステムが登場した。このシステムによって巨大なコンピューターメーカーに発展したのがキューベリック社である。
キューベリック社が設立した財団によって、火星開発が開始される。この開発プロジェクト以降、太陽系火星軌道の内側が商業圏となった。





■このページは、メビウスリンクシリーズの開発情報をお知らせしています。開発の進行状況に応じて、内容を更新しています。■開発中タイトルの記事については、仕様変更により内容が製品版とはことなる場合があります。■ 開発中タイトルについてのお問い合わせはお受けできません。■本作品の設定は、作品世界を成立させるための実際とは異なる創作した物理、数学、経済理論を使用しています。
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